【中学理科】質量パーセント濃度の求め方に公式はいらない!?算数の知識だけで解説


【中学理科】質量パーセント濃度の求め方に公式はいらない!?算数の知識だけで解説

【中学理科】質量パーセント濃度の求め方に公式はいらない!?算数の知識だけで解説



 中学理科で初めの方に習う計算が、質量パーセント濃度の計算です。

 理科なのに計算があるの!? と驚いている中学生のあなた!

 理科といえば用語の暗記が多いと考えている人がいるかもしれません。それは半分正解ですが、半分間違いです。

 理科とは科学。つまり数学とは切っても切り離せない関係なのですよ。

 質量パーセント濃度の公式を必死に暗記しようとしているあなたに朗報です。算数『割合』がわかっていれば公式を覚える必要はありません!

 この記事では質量パーセント濃度の求め方を算数の知識だけで解説します。

 その知識さえあれば、質量パーセント濃度の公式を丸暗記せずとも問題を解けるようになりますよ。



 質量パーセント濃度について解説する前に、用語を覚えてください。

用語

  • 水溶液…ある物質を水に溶かした液体
  • 溶質…水溶液に溶けている物質
  • 溶媒…ある物質を溶かしている
  • 質量パーセント濃度…水溶液1gあたりに溶けている溶質の割合

 食塩水を思い浮かべましょう。この食塩水自体が『水溶液』です。

 さらに食塩水に溶けている塩を『溶質』、塩を溶かしている水を『溶媒』といいます。

溶媒と水溶液ってどう違うの?

 食塩水でいうと、水溶液は食塩質自体つまり『水+食塩』です。

 対して、溶媒は食塩水の『水』のみです。


 そしてこれから解説するのが『質量パーセント濃度』です。

 質量パーセント濃度とは水溶液1gあたりに溶けている溶質の割合です。

 食塩水でいうと、食塩水1gあたりに溶けている塩の割合です。

 割合が高ければ高いほど食塩水はしょっぱく、低ければ低いほどマイルドな味わいになるということです。



 ここからは質量パーセント濃度を算数の知識だけで解説します。

 質量パーセント濃度は小学生の時に習った割合の知識で解けるのです。

質量パーセント濃度は『どっちの方がしょっぱいか』を比べるためにある

 2つの塩水がある時、どちらの方がしょっぱいか考えてみましょう。

どっちの方がしょっぱい?

塩水A:100gの塩水のうち50gが塩

塩水B:100gの塩水のうち30gが塩

塩水Aの方が塩が多いから、塩水Aの方がしょっぱい!

 その通り!

 では、次はどうでしょう?

どっちの方がしょっぱい?

塩水A:100gの塩水のうち50gが塩

塩水C:150gの塩水のうち60gが塩

 今度は塩水の量が違いますね。

 この時、塩の量だけで単純に考えることはできません。

じゃあ、どうやってどちらがしょっぱいかを考えるの?

 そこで、塩の量の割合つまり質量パーセント濃度でしょっぱさを比べます。

 詳しくはこの後で解説します。

質量パーセント濃度の『割合』を用いた求め方

 塩水の量が違う場合、どちらの方がしょっぱいかを考えるときは塩水1gに対してどれくらいが入っているかを考えます。

 これこそが割合で、それを百分率に変換したものが『質量パーセント濃度』です。

 では、塩水1gに対してどれくらい塩が入っているか(割合)を求めるにはどうすればいいでしょうか?

(塩の量)÷(塩水の量)だね!

 さらに質量パーセント濃度は百分率で表すので、(塩の量)÷(塩水の量)×100をすればよいのです。

 では、塩水Aと塩水Cそれぞれで、塩水1gに対してどれくらい塩が入っているか(質量パーセント濃度)を求めましょう。

塩水Aと塩水Cの質量パーセント濃度

  • 塩水A
    $50÷100×100=50%$
  • 塩水C
    $60÷150×100=40%$

 よって、質量パーセント濃度の高い塩水Aの方がしょっぱいと言えます。



 上で書いたように理屈で考えれば質量パーセント濃度の公式は要りませんが、教科書には公式が載っているのでここでも紹介します。

質量パーセント濃度の公式

$\dfrac{溶質(g)}{水溶液(g)}×100$

または

$\dfrac{溶質(g)}{溶媒(g)+溶質(g)}×100$

 $\dfrac{溶質(g)}{水溶液(g)}$や$\dfrac{溶質(g)}{溶媒(g)+溶質(g)}$で、水溶液に対する溶質の割合を求めます。

 質量パーセント濃度は百分率で表すため、割合を求めた後に100倍するのです。

 下の公式を用いる時は以下です。

例題

50gの砂糖を200gの水に溶かした砂糖水の質量パーセント濃度を求めましょう。

50÷200×100!

 そう思った人は間違いです!!

 この問いでは『50gの砂糖を200gの水に溶かした』と書いてあります。

 200で割ると何が問題なのか。

 200gの水は溶媒です。

 質量パーセント濃度を求めるためには、溶媒ではなく水溶液の重さで割らなければなりません。

 水溶液の重さは『溶媒+溶質』なので、『50+200』で割ります。

 よって答えは、公式$\dfrac{溶質(g)}{溶媒(g)+溶質(g)}×100$を用いて以下のように求めます。

 $\dfrac{50(g)}{200(g)+50(g)}×100=\color{red}{20(%)}$



質量パーセント濃度についてまとめます。

まとめ

  • 質量パーセント濃度は、割合と同じ方法で求められる。
  • 水溶液に対する溶質の割合を質量パーセント濃度というので、溶媒ではなく水溶液(溶媒+溶質)で割る

 水溶液の問題は理科だけでなく数学でも出題されます。

 特に一次方程式の利用や連立方程式の利用で出題されるので、質量パーセント濃度の求め方は早いうちに必ずマスターしましょう!


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