【二次方程式】因数分解で解くと解の符号が逆になる理由を解説
二次方程式を因数分解で解くとき、解の符号が逆になっているのを不思議に思っていませんか?
断言しましょう。そんなあなたは、二次方程式の解き方の本質をわかっていません!
この記事では二次方程式を因数分解で解くと解の符号が逆になる理由『(x-a)(x-b)=0⇒x=a,b』を解説します。
二次方程式を因数分解で解くと解の符号が逆になる理由を解説
二次方程式を因数分解で解くと解の符号が逆になる理由は、『○×□=0のとき○か□のどちらかが0になる』ことを利用するからです。
以下で詳しく解説します。
『○×□=0』のとき○や□はいくつ?
『○×□=0』のとき、○や□はいくつでしょうか?
言い換えると、2つの数をかけ算して答えが0になるときはどんなときでしょうか?
○か□のどちらかが『0』のとき、
『○×□=0』になるね!
中学生のあなたなら、難なく理解できるでしょう。
この理屈を理解できれば、二次方程式を因数分解で解くと解の符号が逆になる理由もよくわかりますよ。
『$(x-a)(x-b)=0$』のとき解の符号は?
例題
次の二次方程式を解きましょう。
$x^2+5x+6=0$
まずは因数分解をします。
$x^2+5x+6=0$
$(x+2)(x+3)=0$
この『(x+2)(x+3)=0』と『○×□=0』は同じです。
$(x+2)(x+3)=0$は書き換えると$(x+2){\color{red}{×}}(x+3)=0$のようになることから、$(x+2)(x+3)=0$は式のかけ算だとわかりますね。
つまり二次方程式$(x+2)(x+3)=0$は、(x+2)と(x+3)のどちらかが『0』になることを利用して解くのです。
$x+2=0$のとき、$x=-2$
また$x+3=0$のとき、$x=-3$
よって$(x+2)(x+3)=0$の解は$x=-2,-3$と、符号が逆になるのです。
解答をまとめます。
$x^2+5x+6=0$
$(x+2)(x+3)=0$
$x=-2,-3$
『$x(x-a)=0$』と『$(x-a)^2=0$』もわかる
二次方程式を因数分解で解くと解の符号が逆になる理由がわからなかったあなたは、$(x-a)(x-b)=0$の解き方だけでなく$x(x-a)=0$や$(x-a)^2=0$の解き方もわからないことでしょう。
これらの問題も『○×□=0のとき○か□のどちらかが0になる』ことを利用して解けるので、ついでにマスターしていきましょう。
『$x(x-a)=0$』の解き方
例題
次の二次方程式を解きましょう。
$x^2-7x=0$
これって因数分解できるの?
公式を使って因数分解はできませんが、xでくくることはできますよ。
$x^2-7x=0$
$x(x-7)=0$
$x(x-7)=0$もかけ算の式です。
$x(x-7)=0$は
$x{\color{red}{×}}(x-7)=0$だね!
つまり$x×(x-7)=0$は、xと(x-7)のどちらかが『0』になるということです。
よって$x=0$または$x-7=0$なので、解は$x=0,7$です。
解答をまとめます。
$x^2-7x=0$
$x(x-7)=0$
$x=0,7$
『$(x-a)^2=0$』の解き方
例題
次の二次方程式を解きましょう。
$x^2-6x+9=0$
因数分解をすると$(x-3)^2=0$になりますよね。
$(x-3)^2=0$は$(x-3)×(x-3)=0$と書き換えられます。
つまり$x-3=0$になるxが解になります。
解答をまとめます。
$x^2-6x+9=0$
$(x-3)^2=0$
$x=3$
まとめ
二次方程式を因数分解で解くとき、なぜ解の符号が逆になるのかがわかったかと思います。
その理由がわかれば、$(x-a)(x-b)=0$だけでなく$x(x-a)=0$と$(x-a)^2=0$の解き方もわかります。
こういった知識のつながりを意識して、数学の勉強をしてみてくださいね。
コメントを残す