【指数大きい・小さい】最小公倍数と最大公約数がなぜ素因数分解で求められるかを解説


なんで最大公約数は因数の指数の小さい方で、最小公倍数は因数の指数の大きい方をかけるの?
素因数分解を用いて最小公倍数と最大公約数を求められる理由を知るにはまず、最大公約数と最小公倍数とは何かを正しく理解する必要があります。
要点を読んでもよく分からなかった人はぜひ、このまま記事を読み進めてください。
この記事ではまず、最小公倍数と最大公約数の意味を正しく理解できるよう解説します。
その後で、最大公約数は因数の指数の小さい方で、最小公倍数は大きい方をかけて求められる理由を例題を用いて解説します。
最小公倍数と最大公約数の意味をしっかり理解
最小公倍数と最大公約数とは何かと聞かれたら、きっとあなたは以下のように答えるでしょう。

最小公倍数は、2つの数に共通する倍数の中で、一番小さい数!

最大公約数は、2つの数に共通する約数の中で、一番大きい数。
こんなの小学校で習ったよ!
最小公倍数と最大公約数を素因数分解で求める方法を理解するには、最小公倍数と最大公約数の意味をもう少し踏み込んで理解する必要があります。
特に、最小公倍数は倍数なので、2つの数のどちらでも割り切れることを押さえておきましょう。
最小公倍数と最大公約数を素因数分解で求められる理由
ここからは例題を用いて、素因数分解を用いて最小公倍数と最大公約数を求められる理由を解説します。
特に、最大公約数は指数の小さい方で、最小公倍数は指数の大きい方をかける理由がよくわかりますよ。
例題
36と60の最小公倍数と最大公約数は?
36と60を素因数分解すると以下のようになります。
素因数分解
$36=2×2×3×3$
$60=2×2×3×5$
ポイントは、$36=2^2×3^2$や$60=2^2×3×5$のように指数を用いてまとめないことです。
この例題を用いて、最大公約数は指数の小さい方で、最小公倍数は指数の大きい方をかける理由を解説します。
最大公約数の求め方
まずは最大公約数の求め方を見ていきましょう。

最大公約数は、2つの数に共通する約数の中で一番大きい数だね
最大公約数を求めるには、36と60に共通する素因数だけを残します。
共通する素因数は、2が2つと3が1つです。

3を1つだけかけるということは、36と60を素因数分解した数の指数が小さい方をかけることと同じです。
最小公倍数の求め方
次は最小公倍数の求め方を見ていきます。

最小公倍数は、2つの数のどちらでも割り切れる数!
最小公倍数は36と60の2つで割り切れるためには、36と60のもつ素因数をすべて含むようにしなくてはいけません。
よって、最小公倍数を作るには2が2つ、3が2つ、5が1つ必要です。


3を2かけるということは、36と60を素因数分解した数の指数が大きい方をかけることと同じです。
また5をかけるということは、36の素因数には$5^0$、60の素因数には$5^1$があるため、指数の大きい$5^1$をかけたと考えます。
まとめ
最小公倍数は指数の大きい方、最大公約数は指数の小さい方……と丸暗記していると、解き方を忘れてしまいます。
そもそも最小公倍数、最大公約数とはなんなのかを理解した上で、それらを素因数分解を用いて求める方法を覚えましょう。
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