【全パターン共通】一次関数の式を求めるたった1つの考え方とその解き方を解説


【全パターン共通】一次関数の式を求めるたった1つの考え方とその解き方を解説

【全パターン共通】一次関数の式を求めるたった1つの考え方とその解き方を解説



 一次関数の式を求める問いには様々なパターンがあります。

 中学生のあなたは、どのパターンでどの解き方をすれば良いか迷ってしまうことでしょう。

 しかし、一次関数の式を求める問いには全パターンで共通するたった1つの考え方があります。

 この記事では、一次関数の式を求める問い全てに共通するたった1つの考え方を解説します。

 この記事を読めば、一次関数の式を求める問いの本質がわかり、どんなパターンが出題されても迷うことなく解答できるようになりますよ!



 一次関数の式は$\color{red}{y=ax+b}$で表されますよね。

 つまり一次関数の式を求めるには、$\color{red}{y=ax+b}$のaとbを求めればよいのです。

 問題文中には様々な条件が示されます。

 その条件を駆使して、一次関数のaとbを求めれば問題が解けるのです。

 aとbを求めればいいんだ! と考えれば、解き方を覚えなくてもなんとか解けるものですよ。



 まずは以下4パターンの解き方を解説します。

  • 切片+座標
  • 変化の割合+座標
  • 傾き+座標
  • ある一次関数と平行+座標

 これらは条件を読んだだけで一次関数$y=ax+b$のaまたはbが分かる問いです。

 aまたはbを$y=ax+b$に代入したあと、さらに座標をx,yに代入して一次方程式を解きます。

①切片+座標

 まずは切片と座標が示されているパターンです。

例題

以下の条件の一次方程式を求めましょう。

切片が5で、座標(-1,2)を通る。

 まず切片が5と言われているので、$y=ax+b$の$b=5$であることがわかります。

 よって$y=ax+5$です。

 さらに座標(-1,2)を通ることから、$y=ax+5$にx=-1,y=2を代入すればaも求められます。

$y=ax+5$

$2=-a+5$

$a=3$

 よってa=3,b=5なので、答えは$y=3x+5$

②変化の割合+座標

例題

以下の条件の一次方程式を求めましょう。

変化の割合が-2で、座標(10,-6)を通る。

 変化の割合とは$y=ax+b$のaのことなので、$y=ax+b$に$a=-2$を代入できます。

 また座標(10,-6)を通ることから、x=10,y=-6を代入できるので、bを一次方程式で求められます。

$y=-2x+b$

$-6=-2×10+b$

$b=14$

 よってa=-2,b=14なので、答えは$y=-2x+14$

③傾き+座標

例題

以下の条件の一次方程式を求めましょう。

傾きが5で、座標(3,8)を通る。

 傾きが5ということは、$y=ax+b$に$a=5$を代入できます。

 また座標(3,8)を通ることから、x=3,y=8を代入できるので、bを一次方程式で求められます。

$y=5x+b$

$8=5×3+b$

$b=-7$

 よってa=5,b=-7なので、答えは$y=5x-7$

④平行な直線+座標

例題

以下の条件の一次方程式を求めましょう。

直線$y=6x+5$に平行で、座標(2,11)を通る。

 直線$y=6x+5$に平行とはどういうことでしょうか。

 求める一次関数が直線y=6x+5と平行ということは、求める一次関数の傾きは直線y=6x+5と同じということです。

 つまり$a=6$として一次関数を求めます。

 あとは③傾き+座標の解き方と同じです。

 a=6,b=-1となり、答えは$y=6x-1$



 次に座標を2点与えられた時の一次関数の式を求める問いについて、2パターン解説します。

  • (k,l)と(m,n)が与えられる
  • (k,l)と(m,0)が与えられる

 ①は0を含まない座標、②は0を含む座標が与えられます。

 ①と②は同じ解き方でも問題なく解けますが、②の$(m,0)$が切片であることを用いれば簡単に解けます。

①(k,l)と(m,n)が与えられる

例題

以下の条件の一次方程式を求めましょう。

A(3,-4)とB(-1,12)を通る。

 解き方は2つあります。

  • 変化の割合を求めてから一次方程式を作る
  • 連立方程式を作る

 まずは①変化の割合を求めてから一次方程式を作る方法を解説します。

 変化の割合とは、ある関数での、xの増加量1あたりのyの増加量のことでした。

 つまり、yの増加量をxの増加量で割ればよいのでしたね。

 座標Bから座標Aのxの増加量は3-(-1)=4

 またyの増加量は-4-12=-16

 よって変化の割合は$\color{red}{\frac{-16}{4}=-4}$

 つまりa=-4であることがわかりました。

 $y=ax+b$に$a=-4$を代入します。

 さらにA(3,-4)を通ることからx=3,y=-4を代入すればbも求められますね。

$y=-4x+b$

$-4=-4×3+b$

$b=8$

 よってa=-4,b=8となり、答えはy=-4x+8


 次に②連立方程式を作る方法を解説します。

 一次関数の式$y=ax+b$に座標を代入し、a,bを求めます。

 座標は2つあるので式は2通りでき、連立方程式を立てられるのです。

 A(3,-4)を通ることより、x=3,y=-4を$y=ax+b$に代入します。

 $-4=3a-b$…①

 また、B(-1,12)を通ることより、x=-1,y=12を$y=ax+b$に代入します。

 $12=-a+b$…②

 式①と②を連立することで、a,bを求めます。

\[
\left\{
\begin{array}{l}
-4=3a-b・・・① \\
12=-a+b・・・②
\end{array}
\right.
\]

 これを解くとa=-4,b=8となり、答えはy=-4x+8

どちらの方法で解いても当然答えは同じになるから、

好きな方で解こうね!

②(k,l)と(m,0)が与えられる

例題

以下の条件の一次方程式を求めましょう。

A(5,37)とB(0,2)を通る。

(k,l)と(m,n)が与えられる問題と何が違うの?

 一見すると2つの座標を与えられるタイプの問題です。

 しかし、座標Bについて何か気づきませんか?

求める一次関数が(0,2)を通る
⇒求める一次関数の切片は(0,2)

 座標B(0,2)を通るということは、求める一次関数の切片が(0,2)ということ。

 つまりb=2です。

 この問いでは切片bが分かったので、あとは切片と座標が条件として示されているパターンと同じ解き方です。

 $y=ax+2$に座標A(5,37)を代入します。

 $37=a×5+2$

  a=7

 よってa=7,b=2となり、答えはy=7x+2

 一次関数の式の求め方についてまとめます。

まとめ

  • どんなパターンでも一次関数のa,bを求めることを考える
  • 変化の割合/傾き/切片/平行な直線+座標が与えられたときは一次方程式
  • 座標2点が与えられたときは連立方程式、もしくは変化の割合を求めてから一次方程式を解く
  • 座標2点のうち1点が(m,0)なら、切片がmだとわかる

 一次方程式の式を求める問題は様々なパターンがありますが、全て同じ考え方で解けます。

 あなたは各パターンの解き方をそれぞれ覚えるのではなく、解き方の本質『一次関数のa,bを求めることを考える』を理解しましたね。

 あなたはきっと、テストでも迷うことなく解答できるでしょう。


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