【加減法・代入法のやり方と使い分け】連立方程式の本質は『1文字消去』することです

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【加減法・代入法のやり方】連立方程式の本質は『1文字消去』することです

【加減法・代入法のやり方と使い分け】連立方程式の本質は『1文字消去』することです



 連立方程式の解き方には『加減法』と『代入法』の2つがあります。

 あなたは2つの解き方をマスターしていますか?

加減法と代入法の2つを覚えるのは大変だな

 そう思っている人にぜひわかってほしいのは、連立方程式の本質は『1文字消去して』解くことだということです。

 連立方程式の本質がわかっていれば、加減法と代入法の使い分けを意識する必要はありません!

 この記事では連立方程式の本質を解説した後、『加減法』と『代入法』のやり方と使い分けについて解説します。



『1文字消去する』ってどういうこと?

 連立方程式では$x$と$y$の2つの文字を用いています。そしてその2つの文字が何の数かを求めますよね。

 しかし、以下のような連立方程式があったとして、いきなり$x$と$y$に入る数字を求められるでしょうか?

\[
\left\{
\begin{array}{l}
x+4y=13 \\
3x-y=5
\end{array}
\right.
\]

 地道に数を代入して求めることもできますが、それだと日が暮れてしまいますよね。

 そこで、$x$と$y$に当てはまる数を一つずつ求めます。

 そのために、2つ式があることを利用してxを求めたい時はyを、yを求めたい時はxを消去するのです。

 このように1文字消去することが、連立方程式を解く考え方の本質です。

 文字を消去する手段こそが『加減法』と『代入法』です。

 以下ではそれらのやり方を解説します。



 ここからは連立方程式の『加減法』と『代入法』の解き方を解説します。

加減法の解き方

加減法とは

2つの式を足し算()、または引き算()をして文字を消去する。

足し算・引き算した結果、片方の文字が消えるようにするため、一方もしくは両方の式を何倍かすることがある。

 例題で実践してみましょう。

例題①

 以下の連立方程式を解きましょう。

\begin{flalign*}
& \left\{
\begin{array}{l}
3x+4y=18​・・・① \\
2x−y=1・・・②
\end{array}
\right. &
\end{flalign*}

 いきなり$x$と$y$に当てはまる数を求めるのは大変なので、どちらか一方の文字を消去しましょう。

 そのために、①と②の式を足しましょう。

 しかしそのままだと文字が消えないので、②の式を4倍します。

 $②:2x−y=1$

 $②×4:2x×4−y×4=1×4$←両辺の各項を4倍する

 $②×4:8x – 4y= 4$

 ①と②×4の式を足し算することで、$y$を消去できます。

\begin{array}{rr}
& 3x+4y&=18​\\
+\big{)}&8x – 4y&= 4\\
\hline
&11x&=22\\←yが消えてxの一次方程式になった
&x&=2\\
\end{array}

 次に$y$を求めます。

 これは簡単です。①か②の式に$x=2$を代入します。

 今回は①に代入しましょう。

 $2x−y=1$

 $2\color{red}{×2}-y=1$

 $4-y=1$

 $y=3$

 よって答えは$\color{red}{x=2,y=3}$


代入法の解き方

代入法

一方の式を、もう一方の式に代入することで1文字消去する

 例題で実践してみましょう。

例題

 以下の連立方程式を解きましょう。

\begin{flalign*}
& \left\{
\begin{array}{l}
2x+y=5​・・・① \\
x=3y-1・・・②
\end{array}
\right. &
\end{flalign*}

 この問いは②の式に特徴があります。

左辺が文字$x$だけだね!

 左辺または右辺が1文字だけの式があるなら、代入法が便利です。

 ①の式の$x$を、②の右辺に置き換えるのです。

 $2\color{red}{x}+y=5​$

 $2\color{red}{(3y-1)}+y=5$

 こうして、①の文字$x$が消えて$y$だけの式になりました。

 このまま、$y$の一次方程式を解きましょう。

 $2\color{red}{(3y-1)}+y=5$

 $6y-2+y=5$

 $y=1$

 次に$x$を求めます。

 そのためには$y=1$を①か②のどちらかに代入します。

②に代入した方が簡単そう!

 今回は②に代入します。

 $x=3\color{red}{y}-1$

 $x=3×\color{red}{1}-1$

 $x=2$

 よって答えは$\color{red}{x=2,y=1}$



 中学校では、連立方程式の解き方を『加減法』と『代入法』の2つに分けて習いますよね。

 そこであなたが疑問に思うことを当ててみましょう。

どんなときに加減法を使って、どんなときに代入法を使えばいいの?

 答えは簡単。『どっちでもいい』です。

 連立方程式の本質は『1文字消去すること』だとお話しましたよね。

 加減法や代入法は、1文字消去する手段でしかないのです。

 1文字消去できさえすれば、どちらの手段をとっても良いのですよ。

ちょっとわかりにくいな……どういうこと?

 例えば東京から大阪まで行きたいとする。

 お金も時間も気にしなくていいとすると、東京から大阪まで行けさえすれば交通手段は何でも良いということですよね。

 飛行機や新幹線で行ってもいいし、自転車で行ってもいいことになる。

 連立方程式に置き換えて同じように考えると、1文字消去するためには加減法でも、代入法でもどちらでも良いのです。

 連立方程式『加減法』『代入法』についてまとめます。

まとめ

  • 連立方程式の本質は『1文字消去すること』
  • 加減法は2つの式を足し算()、または引き算()をして文字を消去する。
  • 代入法は一方の式を、もう一方の式に代入することで1文字消去する。
  • 加減法と代入法は1文字消去するための手段なので、どちらを使ってもよい

 連立方程式の計算問題は高校入試に出題されることがあります。

 慣れないうちは計算ミスが多発するので、普段からしっかり計算練習をしましょう。


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