【並べ替え・マイナス・3つ】置き換えをする展開の応用問題3パターンを解説

置き換えを用いる展開で、あなたは置き換えを上手に使いこなせていますか?
$(x+y+1)(x+y-2)$のような問題はパッと解き方を思いつくかもしれません。
しかし、以下の3つの問題はどうでしょうか?
- 並べ替えが必要な問題
$(x+2-y)(x-y-3)$ - マイナスでくくる問題
$(a+2b-5)(a-2b+5)$ - 項が3つで2乗の問題
$(a+b+3)^2$
これらの問題の解き方をすぐに思い浮かばないあなたは、置き換えを『同じものを文字で置き換えること』と理解していますね?
置き換えをする目的は、文字を減らすことです。
この本質を理解していれば、置き換えの問題が楽勝になりますよ!
この記事ではまず、置き換えをする目的『文字数を減らす』についてお話しします。
その後で、置き換えが必要な問題3パターンの解き方を解説します。
【ポイント】展開の置き換えは文字を減らすためにする
置き換えが必要な展開が難しく感じる人は、まず置き換えは文字を減らすために行うのだと理解しましょう。
『展開の置き換え=同じものを文字で置き換える』と理解している人は多いかと思います。
実際、学校や塾でもそうやって教えられますよね。
しかし『展開の置き換え=同じものを文字で置き換える』とばかり思っていると、展開の応用問題でつまづいてしまいます。
例えば以下のような問題で戸惑ってしまうことでしょう。
- 並べ替えが必要な問題
$(x+2-y)(x-y-3)$ - マイナスでくくる問題
$(a+2b-5)(a-2b+5)$ - 項が3つで2乗
$(a+b+3)^2$
このあと、それぞれの問題の解き方を解説します。
置き換えをする展開3パターンの解き方
ここからは以下の3パターンについて、解き方を解説します。
①並べ替えが必要な問題
例題
$(x+2-y)(x-y-3)$を展開しなさい。
一見、置き換え出来る場所がない! と思うかもしれません。
しかしかっこの中の文字を入れ替えれば、置き換え出来ます。
$(x+2{\color{red}{-y}})(x-y-3)$
$=(x{\color{red}{-y}}+2)(x-y-3)$

-yの位置を変えたら、『x-y』を置き換えられるようになったね!
解答
$(x+2{\color{red}{-y}})(x-y-3)$
$=(x{\color{red}{-y}}+2)(x-y-3)$
$x-y$をAとおく。
$=(A+2)(A-3)$
$=A^2-A-6$
$=(x-y)^2-(x-y)-6$
$=\color{red}{x^2-2xy+y^2-x+y-6}$
②マイナスでくくる問題
例題
$(a+2b-5)(a-2b+5)$を展開しなさい。

共通する部分がないから置き換えできないよ?
共通する部分がないように見えますが、項を見る限りなんかおしいですよね。

『2b』と『5』の符号が逆だから、置き換えできない
符号が逆だけど項は同じ場合、マイナスでくくれば解決です!
『-2b+5』をマイナスでくくったら、『2b-5』という共通部分が現れたので置き換えができますね。

解答は以下です。
解答
$(a+2b-5)(a-2b+5)$
$=(a+2b-5){a-(2b-5)}$
$2b-5 = A$と置き換える
$=(a+A){a-A}$
$=a^2-A^2$
$=a^2-(2b-5)^2$
$=a^2-(4b^2-20b+25)$
$={\color{red}{a^2-4b^2+20b-25}}$
③項が3つで2乗の問題
例題
$(a+b+3)^2$を展開しなさい。
項が3つの展開でも、置き換えを使って解けます。

共通の項とかないじゃん!
そもそも置き換えは、文字を減らすために行うのでした。
3つより2つの項の方が計算しやすいですよね?
だから以下のように置き換えて、ラクに計算しましょう!
置き換えを共通する部分に対してするものだと思っていると、3つの項の展開でどうやって置き換えていいかわからなくなります。
そこで、置き換えは文字を減らすためだと理解すれば、この問いでも戸惑わずに置き換えを利用できますよね。
以下、解答です。
解答
$(a+b+3)^2$
$a+b=A$とおく
$=(A+3)^2$
$=A^2+6A+9$
$=(a+b)^2+6(a+b)+9$
$={\color{red}{a^2+2ab+b^2+6a+6b+9}$
まとめ
展開で置き換えをする目的は、文字を減らすことです。
文字を減らしたら計算がしやすいですよね。
だから項を並べ替えたり、マイナスでくくったりして共通の項を作ってでも置き換えをするのです。
また、項が3つの展開よりも2つの方がラクに計算できますよね。そのためにも置き換えを使います。
置き換えを使う目的を正しく理解しましょうね。
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