【苦手克服】連立方程式の利用『割合』が解けるようになるポイントを3つ解説
連立方程式の『利用』というだけで拒否反応が出てしまうなか、さらに割合が関わってくる問題に出会ったら嫌になってしまいますよね。
しかし連立方程式の利用『割合』は、たった3つのポイントを押さえれば解けるようになるのです。
この記事では連立方程式の利用『割合』を解けるようになる3つのポイントを解説した後、例題を用いて『人数の問い』と『割引の問い』の解き方を解説します。
特に『方程式を立てるためどうしたらいいかわからないあなた』のために文字を用いて割合を表す方法やよくある立式のパターンを解説しているので、この記事を読めば今まで手も足も出なかった問題を自力で解けるようになりますよ。
連立方程式の利用『割合』を解けるようになるポイント3選
まずは3つのポイントを解説します。
- 『割合』『比べられる数』『元にする数』の区別と求め方
- 連立方程式の利用『割合』の立式でよく使う表現
- よくある立式のパターン
以下で詳しく解説します。
①『割合』『比べられる数』『元にする数』の区別と求め方
連立方程式の割合の問題が解けないと悩んでいるあなた! そもそも『割合』『比べられる数』『元にする数』の区別は完璧にできますか?
また、『割合』『比べられる数』『元にする数』の求め方は覚えていますか?
小学校で習った割合の文章題が解けないのであれば、連立方程式の文章題でもまず式を立てることができません。
ドキッとしたあなたはまず、算数に戻って割合の復習をしましょう。
②連立方程式の利用『割合』の立式でよく使う表現
連立方程式の問題でネックなのは、自分で方程式を作らなければならないことですよね。
特に割合が関わってくるとなると、解説を見ても分数や小数を用いているのでわからなくなってしまいますよね。
$x×\frac{70}{100}$とか、$y×1.2$とか……。
ここでは上記のような、連立方程式の利用『割合』の立式でよく使う表現がどのように作られているかを解説します。
例
あるお店では、去年は鉛筆が$x$本売れた。
今年は去年より鉛筆が30%多く売れた。今年は鉛筆は何本売れた?
今年は去年よりも30%多く売れた。つまり、$(今年売れた本数)=(去年売れた本数)+(去年売れた本数の30%分の本数)$です。
去年売れた本数は$x本$だけど、
去年売れた本数の30%分の本数ってどうやって求めるの?
30%は『割合』、去年売れた本数は『元にする数』なので、去年売れた本数の30%分の本数は『比べられる数』です。
(比べられる数)=(元にする数)×(割合)でしたよね。
30%を0.3として、
去年の本数の30%は$0.3x本$だね!
よって今年売れた本数を文字を用いて表すと以下のようになります。
$=x+0.3x$
$=\color{red}{1.3x}$
今は$(今年売れた本数)=(去年売れた本数)+(去年の本数の30%)$として今年売れた本数を求めました。
この式を言い換えるとどうなるか。
$(今年売れた本数)=(去年売れた本数の\color{red}{130%})$
去年売れた本数を基準(100%)として『去年の本数の30%多く売れた』と言っているわけですから、全部で『去年売れた本数の130%売れた』というわけです。
$(今年売れた本数)=(去年売れた本数の\color{red}{130%})$に当てはめて考えてみましょう。
今年売れた本数は$x×1.3$で$\color{red}{1.3x}$ですね。
解説によっては小数じゃなくて分数で書いてあるんだけど?
今回は始めに30%を0.3と小数に置き換えました。
これを$30%=\frac{30}{100}$のように分数で置き換えたら、分数を用いた式になります。
どちらか好きな方を使って構いません。
③よくある立式のパターン
ここからは連立方程式の利用『割合』で立てる式の、よくあるパターンを解説します。
分数$\frac{□}{100}$や$\frac{△}{100}$の部分は小数でも構いません。
x、yと文字を置いたとき、それらを足すだけで式が一本できるパターンが多いです。
となると、もう1本の式は割合を用いた少し難しい式になります。
連立方程式の式を立てるのに迷ったときは、まずxとyを足すだけで式ができないか考えるとよいでしょう。
このように2つの式の片方が簡単でもう片方が難しいというパターンは、割合に限らずよくあります。
【例題】連立方程式の文章題『割合』を解説
ここからは例題を用いて連立方程式の文章題『割合』を解説します。
よく出題される『人数の問い』と『割引きの問い』を扱います。
『人数』の問い
例題
あるイベントで、参加者の中に大人と子供がいます。去年の参加者の合計は100人でした。
今年の参加人数は、大人が去年の80%、子供が120%で、合わせて110人です。
去年の大人と子供の参加人数をそれぞれ求めなさい。
まず、去年参加した大人の人数を$x人$、子どもの人数を$y人$として連立方程式を作りましょう。
まずは1本目の式の作り方です。
去年の参加者の合計は100人なので、$x$と$y$を足すだけで式ができます。
$\color{red}{x+y=100}$
次に2本目の式の作り方です。
『今年の参加人数は、大人が去年の80%、子供が120%』という情報から式を立てます。
まず、今年の大人の参加人数を文字で表してみましょう。
今年の大人の参加人数は去年の80%、つまり0.8です。
元にする数は去年の参加人数で$x人$
つまり今年の大人の参加人数は$\color{red}{0.8x}$です。
また、今年の子どもの参加人数は去年の120%、つまり1.2です。
元にする数は去年の参加人数で$y人$
つまり今年の子どもの参加人数は$\color{red}{1.2y}$です
さらに『今年の参加人数は大人と子ども合わせて110人』という情報があるので、以下のような式ができます。
$\color{red}{0.8x+1.2y=110}$
以上より、連立方程式を立てられます。
\[
\left\{
\begin{array}{l}
x+y=100 \\
0.8x+1.2y=110
\end{array}
\right.
\]
これを解くと$x=25$,$y=75$となります。
よって答えは去年の大人の人数は25人、子供の人数は75人です。
『割引き』の問い
例題
あるお店では、バットの定価は2000円、グローブの定価は3000円です。
しかし先月からセールを始めたので、今はバットが10%引き、グローブが20%引きで販売されています。
今まででバットとグローブを合わせて15個売れました。また、セールでの合計売上は27600円です。
セールで売れたバットとグローブの個数をそれぞれ求めなさい。
まず、セールで売れたバットの個数を$x個$、グローブの個数を$y個$として連立方程式を作りましょう。
まずは1本目の式の作り方です。
バットとグローブを合わせて15個売れたので、$x$と$y$を足すだけで式ができます。
$\color{red}{x+y=15}$
次に2本目の式の作り方です。
『セールでの合計売上は27,600円』という情報から式を立てます。
つまり(10%引きのバットの売り上げ)+(20%引きのグローブの売り上げ)=(27600円)です。$x$,$y$を用いた式を作ればよいですね。
まず、10%引きのバットの売り上げを求めましょう。
バットの定価は2000円なので、10%引きだといくらになるでしょうか。
10%引きということは定価の90%の値段で売っているということなので、売値は$2000×0.9=1800円$です。
セールで売れたバットの個数は$x個$なので、バットの売り上げは$\color{red}{1800x個}$です。
さらに20%引きのグローブの売り上げを求めます。
グローブの定価は3000円なので、20%引きだといくらになるでしょうか。
20%引きということは定価の80%の値段で売っているということなので、売値は$3000×0.8=2400円$です。
セールで売れたグローブの個数は$y個$なので、グローブの売り上げは$\color{red}{2400y個}$です。
よって(10%引きのバットの売り上げ)+(20%引きのグローブの売り上げ)=(27600円)に当てはめると以下のような式ができます。
$\color{red}{1800x+2400y=27600}$
以上より、連立方程式を立てられます。
\[
\left\{
\begin{array}{l}
x+y=15 \\
1800x+2400y=27600
\end{array}
\right.
\]
これを解くと$x=14$,$y=1$となります。
よって答えはバットの売り上げは14個、グローブの売り上げは1個です。
まとめ
連立方程式の利用『割合』についてまとめます。
連立方程式の利用は自分で2本の式を立てなければならないので難しく感じるかと思います。
しかし式を立てるコツがわかればそこまで難しくはありません。
また、連立方程式の利用を難しく感じている人の中には、そもそも割合についての知識が欠けていることがあります。
この記事を読んでもよくわからない人は算数の『割合の単元』を復習しましょう。
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