【たったの一手間】分数・小数を含む連立方程式は簡単です!解き方を解説
連立方程式の計算で避けては通れないのは、分数・小数を含む連立方程式です。
難しく感じるかもしれませんが、分数や小数を含む連立方程式はたったの一手間で簡単に解けるようになるんです。
その一手間とは分数・小数を整数にすること。
この記事では、その一手間について詳しく解説していきます。
連立方程式の解き方が最初から全然わからない!という人は先に復習しておきましょう。
【考え方】分数・小数を整数にするためにかけ算をする
分数や小数を含む連立方程式は、そのままだと計算が大変です。
分数や小数の足し算・引き算はあまりやりたくないですよね。
そこで、連立方程式を解く前に分数や小数を整数にしてしまうのです。
分数を含む式なら両辺に最大公約数を、小数を含む式なら両辺に10、100……といった10の倍数をかけ算します。
例
- 分数を含む式を、整数だけの式にする
$\frac{1}{2}x+\frac{1}{3}y=4$
$\frac{1}{2}x{\color{red}{×6}}+\frac{1}{3}y{\color{red}{×6}}=4{\color{red}{×6}}$
$3x+2y=24$ - 小数を含む式を、整数だけの式にする
$0.2x-0.03y=0.1$
$0.2x{\color{red}{×100}}-0.03y{\color{red}{×100}}=0.1{\color{red}{×100}}$
$20x-3y=10$
一気に同じ数をかけるのがポイントだね!
①分数を含む式なら、分母の最大公約数をかけます。
また②小数を含む式について。例えば②の式に10をかけたらどうなるでしょうか?
$0.2x-0.03y=0.1$
$0.2x{\color{red} \times 10} – 0.03y{\color{red} \times 10} = 0.1{\color{red} \times 10}$
$2x-0.3y=1$
小数が残っちゃった!
もし小数が残ったら、この場合ならもう一度10をかければ良いのですが……。
始めに10をかけて、もう一度10をかけるなら、初めから100をかければ良いですよね。
式の数を全て一度に整数にできるよう、10をかけるのか100をかけるのかを考えましょう。
分数・小数を含む連立方程式の解き方
ここからは具体的に、分数・小数を含む連立方程式の解き方を解説します。
分数を含む連立方程式の解き方
例題
次の連立方程式を解きましょう。
\begin{flalign*}
& \left\{
\begin{array}{l}
\frac{1}{5}x+\frac{2}{3}y=\frac{12}{5}・・・① \\
3x−4y=-6・・・②
\end{array}
\right. &
\end{flalign*}
まずは①の式で分数を整数にしましょう。
分数を整数にするためには、式の両辺に分母の最小公倍数をかけるんでしたね。
5と3の最小公倍数は15だから、
①の両辺に15をかけるんだね!
$\frac{1}{5}x+\frac{2}{3}y=\frac{12}{5}$
$\frac{1}{5}x{\color{red}{×15}}+\frac{2}{3}y{\color{red}{×15}}=\frac{12}{5}{\color{red}{×15}}$
$3x+10y=36$
こうして①の式が整数の式になりました。
改めて連立方程式を書きましょう。
\begin{flalign*}
& \left\{
\begin{array}{l}
\frac{1}{5}x+\frac{2}{3}y=\frac{12}{5}・・・① \\
3x−4y=-6・・・②
\end{array}
\right. &
\end{flalign*}
$\Longleftrightarrow$
\begin{flalign*}
& \left\{
\begin{array}{l}
3x+10y=36・・・① \\
3x−4y=-6・・・②
\end{array}
\right. &
\end{flalign*}
こうして整数の連立方程式ができたので、後は解くだけです。
答えは$\color{red}{x=2,y=3}$
小数を含む連立方程式の解き方
例題
次の連立方程式を解きましょう。
\begin{flalign*}
& \left\{
\begin{array}{l}
0.5x-0.02y=2.02・・・① \\
2x+3y=2・・・②
\end{array}
\right. &
\end{flalign*}
①の式に小数が含まれているので、これを整数にしましょう。
小数を整数に変えるには、両辺に10、100……といった10の倍数をかけ算します。
では、①の式の小数を整数にするには、何をかければ良いでしょうか?
10をかけたら小数が残っちゃうね
一気に小数から整数にできるように、両辺に100をかけましょう。
$0.5x-0.02y=2.02$
$0.5x{\color{red}×100}-0.02y{\color{red}×100}=2.02{\color{red}×100}$
$50x-2y=202$
さらに、この式は両辺を2で割る事ができます。
$50x-2y=202$
$50x{\color{red}×\frac{1}{2}}-2y{\color{red}×\frac{1}{2}}=202{\color{red}×\frac{1}{2}}$
$25x-y=101$
これで①が整数だけの式になりました。
ここで改めて連立方程式を書きましょう。
\begin{flalign*}
& \left\{
\begin{array}{l}
0.5x-0.02y=2.02・・・① \\
2x+3y=2・・・②
\end{array}
\right. &
\end{flalign*}
$\Longleftrightarrow$
\begin{flalign*}
& \left\{
\begin{array}{l}
25x-y=101・・・① \\
2x+3y=2・・・②
\end{array}
\right. &
\end{flalign*}
あとは連立方程式を解くだけです。
答えは$\color{red}{x=4,y=-2}$
ミスをしないために計算式はきちんと書く
分数・小数を含む連立方程式は、たったの一手間を加えるだけで簡単な整数の連立方程式に変わります。
しかし整数に変えるということは、その分、計算の過程が増えるのでミスをする確率もあがります。
そこでミスをしないためにやってほしいのは、計算の過程を必ずノートに書くことです。
慣れてくると、分数・小数から整数に変換するときに暗算で行う人がいます。
暗算で正確に計算できるなら良いのですが、そこでミスをするともったいないので、よほど計算に自信がある人以外は、面倒がらずに紙に書いて計算するようにしましょう。
まとめ
分数や小数が含まれる連立方程式も、適切な手順を踏めば簡単に解けることがわかりましたね。
分数・小数は整数にできます。できるだけ簡単にしてから計算しましょう。
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