【中3数学】因数分解を用いた二次方程式の解き方と考え方を詳しく解説

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【中3数学】因数分解を用いた二次方程式の解き方と考え方を詳しく解説

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 因数分解を用いる二次方程式の解き方は、かけ算する2つの数のうち、どちらかが0なら答えは0であることを利用します。

 この考え方さえ押さえておけば、因数分解を用いた二次方程式の解き方はバッチリ!

 でもそれがわからなければ、次のような問題でつまづいてしまうのです。

 $x^2-3x=0$

 $x(x-3)=0$

xでくくったあと、どうすればいいの~!?

 この記事では最初に因数分解の公式をおさらいしたあと、因数分解を用いる二次方程式の考え方を詳しく解説します。

 そのあとで、因数分解を用いた二次方程式の解き方を、解が2つのとき解が1つ(重解)のときを解説します。

 最後に因数分解を用いた二次方程式の問題演習を用意しているので、ぜひ力試しまでしていってください!



 まずなんといっても、因数分解の公式を覚えていないことには始まりません!!

 ドキッとした人は、次の公式を確認して、因数分解についての記事も読んでくださいね。

 もちろん、因数分解は大丈夫! というあなたはこのままGO!

因数分解の公式

  • $x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)$
  • $x^2±2ax+a^2=(x±a)^2$
  • $x^2-a^2=(x+a)(x-a)$
  • $px^2+qx=x(px+q)$←共通因数でくくる!



 因数分解を用いた二次方程式の解き方に共通する考え方があります。

 まずはその考え方を確認しましょう。

共通の考え方

○×△=0は、○か△のどちらかが0なら成り立つ。

⇒2×0とか0×5は、答えが0になる

 因数分解をしたあとの式って、$(x-1)(x-3)$のようになりますよね。

 $(x-1)(x-3)$は$(x-1)×(x-3)$のようにかけ算でできています。

 つまり二次方程式$(x-1)(x-3)=0$であれば、x-1=0かx-3=0が成り立つと考えれば二次方程式を解くことができるのです!

 ここからはいよいよ、因数分解を用いた二次方程式の解き方を解説します。

 因数分解を用いた二次方程式の解き方を、

  • 解が2つになる
  • 解が1つ(重解)になる

 ときの2パターンに分けてお話しします。

①解が2つ



 まずは解が2つになる場合の解き方を解説します。

例題

次の二次方程式を解きなさい。

  • $x^2+3x=0$
  • $x^2-5x+6=0$

 まずは①について。

 $x^2+3x=0$の右辺を見ると、xでくくれそうですよね。

 公式を使うだけでなく、このようにくくるだけでも因数分解と言えるので忘れないように!

 $x^2+3x=0$
 $x(x+3)=0$

 さて、$x(x+3)=0$の左辺はどういう式でしょうか?

$x(x+3)=0$の左辺はかけ算の式で、

$x×(x+3)=0$と見ることができるね!

 $x×(x+3)=0$となるということは、かけ算の式のどちらかが0になれば良いのでした。

 つまり、x=0、x+3=0より、解はx=0,-3です。


 ②について。

 $x^2-5x+6=0$を因数分解すると$(x-2)(x-3)=0$です。

 つまり$(x-2)×(x-3)=0$ということ。

$(x-2)×(x-3)=0$だから、

$x-2=0,x-3=0$ってことだね

 よって解はx=2,3です

解答

  • $x^2+3x=0$
    $x^2+3x=0$
    $x(x+3)=0$
    $x=0,-3$
  • $x^2-5x+6=0$
    $(x-2)(x-3)=0$
    $x=2,3$

②解が1つ(重解)



 まず、次の知識を頭に入れましょう。

用語

二次方程式の解が1つになったとき、その解を『重解(じゅうかい)』という。

 重解になる二次方程式の問題を解説します。

例題

次の二次方程式を解きなさい。

$x^2+2x+1=0$

 まずは因数分解をします。

 $x^2+2x+1=0$

 $(x+1)^2=0$

 このときは、x+1=0になると考えればOKです。

 よって解はx=-1となります。

なんで『重解』っていうの?

 $(x+1)^2=0$は$(x+1)(x+1)=0$と見ることができます。

 解が2つになるときの考え方と同じように考えると、x+1=0またはx+1=0となる、と言えますよね。

 つまり解はx=-1とx=-1の2つと考えられます。

 とはいえ、『xに当てはまる数はなに?』と聞かれて、『-1と-1だよ!』って答える人はいませんよね。

 だから本当は答えが2つだけど、同じ数になっちゃったから1つだけ答えるのです。

 これを重なった解、つまり重解と言うのです。

解答

  • $x^2+2x+1=0$
    $(x+1)^2=0$
    $x=-1$



 さて、ここまでで因数分解の公式を復習したあとに因数分解を用いた二次方程式の解き方を解説しました。

 因数分解の公式を復習した人は、なにか疑問に思いませんでしたか?

$x^2-a^2=(x+a)(x-a)$は使わないの?

 もちろん、$x^2-a^2=(x+a)(x-a)$を用いて二次方程式を解くこともできます。

 しかし、中学の範囲では$x^2=○$の解き方を使うのが一般的です。

 では、例を見てみましょう。

例題

二次方程式を解きなさい。

$x^2-9=0$

 この問いは二次方程式の始めの方に、$x^2=○$の解き方で習いましたよね。

 $x^2-9=0$

 $x^2=9$

 $\color{red}{x=±3}$

 しかし因数分解を用いた解き方を知っているあなたなら、次の解き方もできますよ。

 $x^2-9=0$

 $(x+3)(x-3)=0$

 $\color{red}{x=3,-3}$

 どちらの方法で解いても答えは一緒!

 あなたにとってラクな方で問題を解きましょう!



 今までに習ったことを思い出しながら、因数分解を用いた二次方程式の計算問題をやってみましょう。

問題

二次方程式を解きなさい。

  • $x^2+4x=0$
  • $x^2−7x+10=0$
  • $x^2+16x+64=0$

 ①について。

 $x^2+4x=0$

 $x(x+4)=0$

 よって$x=0,-4$


 ②について。

 $x^2−7x+10=0$

 $(x−2)(x−5)=0

 よって、$x=2,5$


 ③について。

 $x^2+16x+64=0$

 $(x+8)^2=0$

 よって$x=-8$

 因数分解を用いた二次方程式の考え方と解き方についてまとめます。

まとめ

  • ○×△=0は、○か△のどちらかが0なら成り立つことを利用する
  • 因数分解したあと、$(x+a)×(x+b)=0$とみる
  • $(x+c)=0$のときは重解になる

 この単元はそもそも因数分解を覚えていないと解けません。

 二次方程式の計算問題はテストで得点しやすいので、因数分解を忘れていた人は必ず復習し、二次方程式を解けるようにしましょう。


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