【わかりやすく】小数第何位に初めて0でない数字が現れるか?公式と解き方を解説


 数学Ⅱを勉強しているあなた! 常用対数の応用問題は解けますか?

 特に『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』と『桁数はいくつか』を求める方法は公式が似ているのでごちゃごちゃになってしまいますよね。

公式が複雑で覚えられない

そもそも解き方がわからない

 ここでは常用対数を用いて『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』を求める方法を解説します。

 公式の意味からお話しするので、この記事を読めばすんなり頭に入りますよ!



公式$-n≦\log_{ 10 } N<-n+1$を解説

 ここからは常用対数を用いて『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』を求める公式について解説します。

『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』の公式

 まずは『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』を求める公式を確認しましょう。

【公式】小数第何位に初めて0でない数字が現れるか
Nは小数第n位に初めて0でない数字が現れるとすると
10^(-n)≦ N <10^(-n+1)
⇔ -n ≦log_{ 10 } N<-n+1
桁数は不等号の左側!!

 『常用対数を用いた桁数の求め方』の公式とは逆で、『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』の答えは左側の数字です。

右とか左とか混乱する

桁数の求め方の時は不等号の右側が答えでしたね。

 桁数の求め方の公式とごちゃごちゃになってしまわないよう、この後は『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』を求める公式がなぜ成り立つのかを解説します。

『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』を求める公式を具体的な数字で解説

 『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』を求める公式は$10^{-n}$や$10^{-n+1}$のように複雑な数字が出てくるので丸暗記しようとしてもすぐに忘れてしまいます。

 『常用対数を用いた桁数の求め方』と公式が似ているので、丸暗記しているとごちゃごちゃになってしまいます。

 丸暗記にならないように、具体的な数字を使って公式を理解しましょう!


 ここでは、Nは小数第3位に初めて0でない数字が現れるとします。

 小数第3位に初めて0でない数字が現れるとしたら、Nを不等号で表すとどうなるでしょう?

Nは一番小さくて$0.001$で、

$0.01$よりは小さい数だから……

 つまり、Nを不等号を用いて表すと次のようになります。

Nは小数第3位に初めて0でない数字が現れる場合

$0.001≦N<0.01$

つまり

$10^{-3}≦N<10^{-2}$

 これの各辺に常用対数$\log_{10} $をつけます。

Nは小数第3位に初めて0でない数字が現れる場合

$10^{-3}≦N<10^{-2}$

⇔$\log_{10} 10^{-3}≦\log_{10} N<\log_{10} 10^{-2}$

⇔$-3≦\log_{10} N<-2$

 左側に表れた『3』こそが、Nは小数第何位に初めて0でない数字が表れますか?の答えになるわけです。

【公式】小数第何位に初めて0でない数字が現れるか:具体的な数字で考える
小数第3位に初めて0でない数字が現れる⇒0.001≦N<0.01のとき、
10 ^(-3)≦ N <10^(-2)
⇔log_{10} 10^{-3}≦\log_{10} N<log_{10} 10^{-2}
⇔-3≦\log_{10} N<-2
答えは左側の不等号に現れる!

【例題】常用対数を用いて『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』を求める

 これまでは公式について解説してきました。

 公式を理解したら、次は例題を解いてみましょう。



例題

$\left( \frac{1}{9} \right)^{20}$は小数第何位に初めて0でない数字が現れるか求めよ。

$\log_{10} 3=0.4771$とする。

 解答の流れは『桁数の求め方』と同じなので、『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』の公式さえ理解してしまえば、あとは簡単です。

小数第何位に初めて0でない数字が現れるか『解答の流れ』

  • 求めたい数に常用対数をかぶせる
  • 計算する
  • 公式に当てはめ、$-n$と$(-n+1)$にあたる数を考える
  • $-n$の絶対値にあたる数が問題の答え

 まずは、①『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』を求めたい数に常用対数をかぶせて、②計算します。

$\left( \frac{1}{9} \right)^{20}$に常用対数をかぶせて、

$\log_{10}\left( \frac{1}{9} \right)^{20} $

$=20×\log_{10}\frac{1}{9}$

$=20×\log_{10}9^{-1}$

$=20×\log_{10}3^{-2}$

$=20×(-2)×\log_{10}3$

$=20×(-2)×0.4771$

$=-19.084$

なんで、

$\log_{10}9^{-1}$

$=\log_{10}3^{-2}$

になるの?

 数学Ⅰで習った『指数法則』を思い出してみましょう。

【指数法則】
$(a^m)^n=a^{mn}$

 まず、$9=3^2$と変形します。

指数法則を用いた変形

$9=3^2$だから、

$\log_{10}9^{-1}$

$=\log_{10}(3^{2})^{-1}$

$=\log_{10}3^{-2}$

 計算を終えたら次は、③公式に当てはめ、$-n$と$(-n+1)$にあたる数を考えます。

$\log_{10}\left( \frac{1}{9} \right)^{20}$

$=-19.084 $だから、

公式$-n≦\log_{ 10 } N<-n+1$に当てはめると、

$-20≦\log_{ 10 } \left( \frac{1}{9} \right)^{20}<-19$

 ④不等号の左側$-n$の絶対値にあたる数が問題の答えだから……

$\left( \frac{1}{9} \right)^{20}$は小数第20位に初めて0でない数字が現れる!

 以下、解答をまとめます。

$\left( \frac{1}{9} \right)^{20}$は小数第何位に初めて0でない数字が現れるか求めよ。

$\log_{10} 3=0.4771$とする。

$\log_{10}\left( \frac{1}{9} \right)^{20} $

$=20×\log_{10}\frac{1}{9}$

$=20×\log_{10}9^{-1}$

$=20×\log_{10}3^{-2}$

$=20×(-2)×\log_{10}3$

$=20×(-2)×0.4771$

$=-19.084$

$\left( \frac{1}{9} \right)^{20}$は小数第n位に初めて0でない数字が現れるとすると、

$-n≦\log_{ 10 } \left( \frac{1}{9} \right)^{20}<-n+1$であり、$n$は整数なので、

$-20≦\log_{ 10 } \left( \frac{1}{9} \right)^{20}<-19$となる。

よって、小数第20位に初めて0でない数字が現れる。



まとめ

 『小数第何位に初めて0でない数字が現れるか』の公式は、その成り立ちを理解したら解法にも慣れておきましょう。

 公式が複雑でやる気がなくなってしまいそうな単元ですが、理解してしまえば簡単なので、諦めずに問題演習を頑張りましょう!

 

 


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