【中3数学・相似】面積比と体積比を用いた『円錐内の水』の問いを解説

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【中3数学・相似】面積比と体積比を用いた『円錐内の水』の問いを解説

 中3数学『相似』のラスボスといえば、面積比・体積比を用いて解く『円錐内の水』の問いです。

 私が塾講師として生徒を見ていると、ほとんどの人が『円錐内の水』の問いでつまづいています。

 しかし、相似比と面積比・体積比の関係がわかれば簡単に解けるようになりますよ!

 この記事では、まずは前提知識として相似比と面積比・体積比の関係を確認します。

 その後で、円錐内の水の問い、①水はあとどれくらい入るか、②水で出来た円錐の表面積はいくらかを解説します。



 まずは相似比と面積比・体積比の公式を確認します。

 その後で相似比から面積比・体積比を用いる例題を行い、公式をきちんと使えるかを確認します。

 これくらいは余裕だよ! という人は読み飛ばしOKです。

①相似比と面積比・体積比の公式

 まずは相似比と面積比・体積比の公式を確認しましょう。

相似比と面積比・体積比の公式

相似比を$n:m$とすると

面積比は$n^2:m^2$

体積比は$n^3:m^3$

②面積比・体積比を用いる基礎例題

 次に、相似比を用いて面積比・体積比を求める基礎的な例題を行います。

例題

△ABCと△DEFの相似比が2:3のとき、以下の問いに答えましょう。

  • 面積比と体積比は?
  • △ABCの面積が10$cm^2$のとき、△DEFの面積は?

 ①について。

 面積比は$2^2:3^2={\color{red}{4:9}}$

 体積比は$2^3:3^3={\color{red}{8:27}}$

 ②について。

 ①より、△ABCと△DEFの面積比は$4:9$なので、△DEFの面積は

 $4:9=10:x$

 $x=22.5$

 よって$\color{red}{22.5cm^2}$



 次からはいよいよ、面積比と体積比を用いた『円錐内の水』の問いを解説します。

 問題は以下です。

問題

 円錐の入れ物の中に水を入れたとき、次の問いに答えましょう。

  • 円錐の入れ物に水を$80cm^3$入れたとき、水はあと何$cm^3$入る?
  • 円錐の入れ物の底面の半径が7cmのとき、水でできた円錐の表面積は?

 解説はこの後です。

①水はあと何$cm^3$入る?

 水の入っている部分を円錐と見ると、水でできた円錐と、円錐の入れ物の相似比は、

 $5:10=1:2$

 よって体積比は$1^3:2^3=1:8$

 さて、水の体積がわかっているので、体積比から入れ物の体積を求められます。

 そして(入れ物の体積)-(水の体積)をすれば、あと何$cm^3$の水が入るかがわかります。

 $1:8=80:x$

 $x=640$

 よって入れ物の体積は$640cm^3$なので、

 640-80=560

 よって答えは$\color{red}{560cm^3}$

②水でできた円錐の表面積は?



 この問いを解く鍵は、円錐の入れ物の表面積です。

 それさえ計算できれば、あとは面積比から水で出来た円錐の表面積を求められます。

 さて、円錐の表面積を求める方法を覚えているでしょうか?

 円錐の表面積を求めるポイントは、側面のおうぎ形の、中心角を求めることです。

 忘れてしまった人はこの記事を参考にしてくださいね。

 円錐の入れ物の展開図を見てみましょう。

 このように、円錐を展開すると、『円』とおうぎ形に分れます。

 円錐の表面積を求めるためには、それぞれの面積の和を求めればよいのです。

おうぎ形の中心角がないよ?

 おうぎ形の中心角を求める方法は、

  • 底面の円の円周=おうぎ形の弧の長さ
  • おうぎ形の弧の長さを求める公式から中心角を求める

 以上の2つがポイントです。

 円の半径が7cmなので、$円周の長さ=2πr=2×π×7=14π(cm)$

 よっておうぎ形の弧の長さも$14π(cm)$

 次におうぎ形の弧の長さを求める公式に代入して、おうぎ形の中心角を求めましょう。

 おうぎ形の弧の長さ=$14π(cm)$、おうぎ形の半径=$10cm$で、中心角をa°とすると

 $14π=2×π×10×\frac{a}{360}$

 $a=150°$

 よって、円錐の入れ物の表面積は、

 $(底面の円の面積)+(側面のおうぎ形の面積)$

 $=7×7×π+10×10×π×\frac{150}{360}$

 $=49π+\frac{125}{3}$

 $=\frac{250}{3}cm^2$

 ここからが本題です。

 水でできた円錐と円錐の入れ物の相似比は$5:10=1:2$

 よって面積比は$1:4$です。

 さっき円錐の入れ物の体積を求めたので、この面積比から、水で出来た円錐の表面積を求めます。

 $1:4=x:\frac{250}{3}$

 $x=\frac{125}{6}$

 よって、水で出来た円錐の表面積は$\color{red}{x=\frac{125}{6}cm^3}$

 相似比と面積比・体積比の関係と円錐の問いについてまとめます。

まとめ

  • 相似比を$n:m$とすると
    面積比は$n^2:m^2$
    体積比は$n^3:m^3$
  • 比の計算で、面積や体積を求められる
  • 円錐の表面積を求めるポイントは
    ①底面の円の円周=おうぎ形の弧の長さ、②おうぎ形の弧の長さを求める公式から中心角を求める

 円錐の問題では、円錐の表面積を求める方法のような、中1で習った内容がでてきます。

 難しく見えるかも知れませんが、既に習った内容を一つ一つ振り返れば、必ずできるようになりますよ。


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