【中3数学】2乗に変形する二次方程式の解き方『たった1つのポイント』を解説【平方完成】

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【中3数学】2乗に変形する二次方程式の解き方『たった1つのポイント』を解説【平方完成】

【中3数学】2乗に変形する二次方程式の解き方『たった1つのポイント』を解説【平方完成】



 二次方程式の計算問題の中で、解き方が難しいのは『2乗$(x±□)^2$に変形する解き方』です。

 $x^2+6x+2=0$

 $(x+3)^2-7=0$

 二次方程式を解く問いで、このように2乗の形に変形するものがあります。

 学校の授業を聞いたり、教科書を読んだりしても何をしているのかわからないという人はあなただけではありません。

 この記事では$x^2+ax=(x+b)^2-b^2$のように、二次方程式を2乗に変形して解くやり方を解説します。

 複雑に見える解法ですが、たった1つのポイントを押さえるだけですっきりと考えられるようになります。

 中学校で習う変形のしかたを解説した後、高校で習う『平方完成』のやり方を解説します。平方完成でも同じように2乗に変形する二次方程式が解けます。

 平方完成なら中学で習うやり方よりもシンプルなので、やり方さえ覚えてしまえば手が勝手に動いて2乗の形を作れるようになります!

 中学校で習う変形が面倒くさい難しいと考える人には特に平方完成がオススメです!



 中学校で習う『2乗に変形する二次方程式の解き方』を解説します。

 まずたった1つのポイントと前提知識を解説した後、解法を解説します。

2乗に変形するたった1つのポイント

 2乗に変形するときのたった1つのポイントは以下です。

2乗に変形するたった1つのポイント

与えられた式を$(x±□)^2$に因数分解するには何を足すか?を考えること

 与えられた式を$(x±□)^2$して二次方程式を解くことが目的なので、どうしたら因数分解できるか?を考えなくてはいけません。

 例えば$x^2+6x+2=0$は$(x±□)^2$の形に因数分解できませんよね。

 では、どうすれば$(x±□)^2$の形に因数分解できるでしょうか。

$x^2+6x\color{red}{+2}=0$じゃなくて、

$x^2+6x\color{red}{+9}=0$なら因数分解できるね。

 つまり与えられた式$x^2+6x+2=0$に7を足せば因数分解できます。

 7を足したということは、同時に7を引かなくてはいけませんね。(詳しくは後で解説します)

 因数分解できる式にするために何の数を足すかがわかれば、この問いは解けたも同然です。

必要な前提知識

 2乗に変形する二次方程式を解くために、できていなくてはならない数学の問いは以下です。

前提知識

  • 因数分解$x^2±2ax+a^2=(x±a)^2$の解き方
  • 二次方程式$(x+□)^2=○$の解き方

 これらは中3の内容ですが覚えているでしょうか?

 特に因数分解は、テストが終わった途端に忘れてしまった人はいませんか?

 もしも忘れてしまったなら、まずはこれらを復習しましょう。

2乗に変形する二次方程式の解き方



 ここからは2乗に変形する二次方程式の解き方を解説します。

例題

以下の二次方程式を解きましょう。

$x^2+6x+2=0$

 左辺を因数分解して$(x+a)^2$の形にできれば、二次方程式を解くことができます。

 しかし、左辺はこのままでは因数分解できないですよね。

 もし$x^2+6x+2=0$が、$x^2+6x+9=0$だったら因数分解できます。

 では、どうするか。

 左辺を$x^2+6x+9=0$にするため、左辺に『7』を足しましょう。

じゃあ計算式は、

$x^2+6x+2=0$

×$x^2+6x+2\color{red}{+7}=0$

×$x^2+6x\color{red}{+9}=0$

でいいの?

 『7』を足しただけだと方程式が成り立たないので、同時に『-7』をします!

 $x^2+6x+9-7=0$まで変形できたら、因数分解して2乗に変形します。

 $x^2+6x+9-7=0$

 $(x+3)^2-7=0$

 $(x+3)^2=7$

 ここまで来たら、あとは二次方程式を解くだけです。

 以下、解答をまとめます。

答え

$x^2+6x+2=0$

$x^2+6x+2+7-7=0$

$x^2+6x+9-7=0$

$(x+3)^2-7=0$ 

$(x+3)^2=7$

$x+3=±\sqrt{7}$

$x=-3±\sqrt{7}$



 ここまでは中学校で習う方法で、2乗に変形する二次方程式の解き方を解説しました。

 しかしこの解き方は、2乗の形に因数分解するために何を足せば良いかを考えなくてはいけません。

 それが難しい、または面倒だと思う人向けに、高校で習う解き方『平方完成』を解説します。

 平方完成なら2乗の形に因数分解するために何を足せば良いかを考える必要がなく、機械的に2乗の形を作れます。


 平方完成のやり方を図で見てみましょう。

平方完成のやり方  x ± bx
=(x ± bの半分 )^2-( bの半分)^2  bの半分=xの係数の1/2

 先ほどの例題$x^2+6x+2=0$を平方完成で2乗の形にしてみましょう。

 上の図の『b』は『x』の係数なので、この例題では『b=6』です。

 つまり、『bの半分』とは『3』のことですね。

 $\color{red}{x^2+6x}+2=0$

 $\color{red}{(x+3)^2-3^2}+2=0$

 $\color{red}{(x+3)^2-9}+2=0$

 $(x+3)^2-7=0$

 ここまでで平方完成は終わりです。

 あとは『7』を移項すれば二次方程式が解けます。

 このように、『x』の係数を半分にすることを覚えれば、簡単に2乗の形を作れます。

 2乗に変形する二次方程式の解き方についてまとめます。

まとめ

  • 2乗に変形するポイントは『何を足せば2乗の形に因数分解できるか』を考えること。
  • 平方完成を覚えるとラクに2乗の形に変形できる

 二次方程式の計算の中では解き方が複雑に見えるので、苦手だと思ってしまう人がいることでしょう。

 しかしポイントを押さえれば決して難しい問題ではないので、問題演習の中で解き方に慣れておきましょう。


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