【もう忘れない】二重根号の外し方を解説!公式の意味から理解しよう【高校数Ⅰ】

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【もう忘れない】二重根号の外し方を解説!公式の意味から理解しよう【高校数Ⅰ】



 二重根号の外し方って、一度聞いてもなかなか理解できないですよね。 

 公式を丸暗記しても、結局すぐに忘れてしまい、そのたびに検索している人も多いのではないでしょうか?

 そんなあなたに向けて、この記事では二重根号の外し方を本質から理解できるよう解説しています。

この記事を読んだ後には、二重根号の外し方がスッキリと理解でき、公式に頼らずに解く力が身につくはずです!

 まずは二重根号を外す公式を確認します。

 その後で二重根号を外す公式がなんのためのものかを解説するので、これを読めば二重根号を外す公式の本質が理解できます。

二重根号を外す公式



 まずは二重根号を外す公式を確認しましょう。

こんなのすぐ忘れちゃうよ~

 二重根号を外す公式は複雑で、何度確認してもすぐ忘れてしまいます。

 しかし、これから解説する『二重根号の外すときの考え方』を読めば、公式の意味が理解できるため公式を忘れにくくなりますよ!

 さらに、公式で忘れがちな『2』が含まれる理由もわかります。

二重根号を外すときの考え方

 二重根号を外すといっても、所詮は根号を外す作業です。

 根号を外すには、根号の中が2乗の形になっていればいいですよね。

 したがって、二重根号を外す際も、外側の根号の中を2乗の形にすればよいのです。

二重根号を外す公式は、外側のルートの中を2乗の形にするためにあるんだね

 2乗の形にするために、因数分解の公式『$\color{red}{x^2±2ax+a^2=(x±a)^2}$』を利用します。

 とはいえ、二重根号を外す問い$\sqrt{5+2\sqrt{6}}$のような形から、因数分解をするのは難しそうですよね。

今までやったような因数分解の問題では、

『$x^2+5x+6$』のように項が3つあったり文字があったからわかりやすかったよね

二重根号を外す問いとは式が全然違うから、因数分解するのが難しいよ

 では、ルートの数の展開をしてみて、因数分解のイメージをしましょう。

ルートの数の展開

  • $(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2$
    $=a+2\sqrt{ab}+b$
    $=\color{red}{(a+b)+2\sqrt{ab}}$
  • $(\sqrt{a}-\sqrt{b})^2$
    $=a-2\sqrt{ab}+b$
    $=\color{red}{(a+b)-2\sqrt{ab}}$

 この展開を見ると、二重根号を外す公式に『2』が含まれる理由がわかりますね。

 ルートの数の展開を見た後で、もう一度二重根号を外す公式を見てみましょう。

 この展開の逆をたどれば、二重根号を外す公式になるとわかります。

二重根号を外す時の注意点~$\sqrt{a}>\sqrt{b}$

 $\sqrt{(a+b)-2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}-\sqrt{b}$のときに注意点があります。

 このとき、必ず$\sqrt{a}>\sqrt{b}$になります。

どうして$\sqrt{a}>\sqrt{b}$じゃないといけないの?

 $\sqrt{a}>\sqrt{b}$なのは、二重根号を外したあとの『$\sqrt{a}-\sqrt{b}$』が正になるためです。

 これが負になってしまうと、ルートの中から負の数が出てくることになります。

 ルートの中は必ず正の数であると決っているため、$\sqrt{a}>\sqrt{b}$でないとおかしいのです。



 ここからは具体的な例題を用いて二重根号の外し方を解説します。

例題

二重根号をはずしましょう。

  • $\sqrt{5+2\sqrt{6}}$
  • $\sqrt{13-2\sqrt{30}}$
  • $\sqrt{6+\sqrt{35}}$

 まず①についてです。

 $\sqrt{5+2\sqrt{6}}=\sqrt{(3+2)+2\sqrt{3×2}}$とします。

 すると公式$\sqrt{(a+b)+2\sqrt{ab}}=\sqrt{(\sqrt{a})+\sqrt{b})^2}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$のように因数分解できます。

足して5、かけて6になる2つの数を見つけるんだね!

 解答は以下です。

 $\sqrt{5+2\sqrt{6}}$

 $=\sqrt{(3+2)+2\sqrt{3×2}}$

 $=\sqrt{(\sqrt{3}+\sqrt{2})^2}$

 $=\color{red}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}$


 次は②についてです。

 『ー(マイナス)』が使われているので、

 公式$\sqrt{(a+b)-2\sqrt{ab}}=\sqrt{(\sqrt{a}-\sqrt{b})^2}=\sqrt{a}-\sqrt{b}$を使うとわかります。

 $\sqrt{13-2\sqrt{30}}$を因数分解しやすいように変形すると、

 $\sqrt{13-2\sqrt{30}}=\sqrt{(10+3)-2\sqrt{10×3}}$になります。

 解答は以下です。

 $\sqrt{13-2\sqrt{30}}$

 $=\sqrt{(10+3)-2\sqrt{10×3}}$

 $=\sqrt{(\sqrt{10})-\sqrt{3})^2}$

 $=\color{red}{\sqrt{10}-\sqrt{3}}$

$\sqrt{3}-\sqrt{10}$じゃダメなの?

 $\sqrt{3}-\sqrt{10}$は負の数ですよね。

 ということは、ルートの中から負の数が出てくることになります。

 ルートの中は必ず正の数なので、$\sqrt{3}-\sqrt{10}$はダメです。


 最後に③についてです。

 $\sqrt{6+\sqrt{35}}$は、内側のルートの数『$\sqrt{35}$』に『$2$』がついていません。

このままじゃ因数分解できないよ

 『2』をつけるために、以下のように変形します。

 $\sqrt{6+\sqrt{35}}$

 $=\sqrt{\displaystyle \frac{6 \color{red}{×2}\color{black}{+\sqrt{35}}\color{red}{×2}}{\color{red}{2}}}$

 $=\sqrt{\displaystyle \frac{12+2\sqrt{35}}{2}}$

これで分子を因数分解できるね!

 続きをやっていきます。

$=\sqrt{\displaystyle \frac{12+2\sqrt{35}}{2}}$

$=\sqrt{\displaystyle \frac{(\sqrt{7}+\sqrt{5})^2}{2}}$

$=\displaystyle \frac{\sqrt{(\sqrt{7}+\sqrt{5})^2}}{\sqrt{2}} $

$=\displaystyle \frac{\sqrt{7}+\sqrt{5}}{\sqrt{2}}$

 ここまで来たら、最後に有理化をします。

$=\displaystyle \frac{(\sqrt{7}+\sqrt{5})\color{red}{\times\sqrt{2}}}{\sqrt{2}\color{red}{\times\sqrt{2}}}$

$=\displaystyle\color{red}{\frac{\sqrt{14} + \sqrt{10}}{2}}$

長かった~!

 二重根号の外し方についてまとめます。

  • 二重根号を外す公式は、外側のルートの中を2乗の形にするためにある。
  • ルートの中を2乗の形にするために、因数分解をする。
  • ルートの中は必ず正の数だから、二重根号を外した後は正になるようにする。

 公式は複雑で忘れやすいですから、丸暗記をせずに公式の意味を理解しましょう。

 あとは計算練習を積んで、二重根号を外すのに慣れていきましょう!


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