【数学Ⅱ】常用対数を用いた桁数の求め方をわかりやすく解説します
数学Ⅱ『対数』の中でも難しいのが常用対数の応用ですよね。
なんでこの解き方になるのかわからない
$n-1≦\log_{10} N<n$ってなにこれ?
常用対数の応用は解き方や公式の丸暗記では、テスト前の一時しのぎにしかなりません。
この記事を読めば、常用対数の桁数の求め方がなぜその解き方になるのか、なぜその公式になるのかをしっかり理解できます。
常用対数で桁数を求める問題を難しいと感じるのは、公式『$n-1≦\log_{10} N≦n$』のせいでしょう。
logや不等号、Nとかnっていう文字に拒否反応を起こしてしまいますよね。
常用対数で桁数を求める公式
どうしてこんな公式になるのかわからない
こんな公式覚えられない
そんなあなたのために、常用対数を用いた桁数の求め方がなぜ『$n-1≦\log_{10} N≦n$』になるのかを解説します。
nは自然数です!
nが桁数を表すので、nは当然、自然数ですね。
常用対数で桁数を求める公式は具体的な数字で考える
常用対数で桁数を求める公式を丸暗記しようとすると混乱してしまいます。
そこでオススメなのは、具体的な数字を使って公式を理解することです。
ここでは、Nが3桁の場合を考えてみましょう。
Nが3桁の場合、Nはどんな数でしょうか?
Nは100以上1000未満の数だね
つまり、Nを不等号を用いて表すと次のようになります。
Nが3桁の場合
100≦N<1000
つまり
$10^2≦N<10^3$
これの各辺に常用対数$\log_{10} $をつけます。
Nが3桁の場合
$10^2≦N<10^3$
⇔$\log_{10} 10^2≦\log_{10} N<\log_{10} 10^3$
⇔$2≦\log_{10} N<3$
Nの桁数(3桁)が、右側の不等号に現れていますよね。
左側の不等号には2、つまり『桁数-1』=『n-1』が表されているのです。
以上の理由から、常用対数を用いて桁数を求めるとき、桁数は右側にある!と理解しましょう。
【例題】常用対数を用いた桁数の求め方
公式を理解したら、常用対数を用いた桁数の求め方の例題を解いてみましょう。
例題
$5^{100}$の桁数を求めよ。
$\log_{10} 2=0.3010$とする。
常用対数を用いた桁数の求め方は、次のような順番で解答していきます。
まずは①桁数を求めたい数$5^{100}$に常用対数をかぶせます。
そのあと、②計算します。
$5^{100}$に常用対数をかぶせて、
$\log_{10} 5^{100}$
$=100×\log_{10} 5$
あれ?
$\log_{10} 5$って
どうやって計算するんだ?
問題文を見てみると、$\log_{10} 2=0.3010$が与えられているよね。
この条件を駆使して、$\log_{10} 5$を求めていきます。
$\log_{10} 5$の求め方がわかったところで、改めて$\log_{10} 5^{100}$の計算をしていきましょう。
$\log_{10} 5^{100}$
$=100×\log_{10} 5$
$=100×0.699$
$=69.9$
$\log_{10} 5^{100}=69.9$がわかったら、③公式にあてはめ$(n-1)$と$n$にあたる数を考えます。
公式は$n-1≦\log_{10} N<n$だったね
この公式に$\log_{10} 5^{100}=69.9$をあてはめましょう。
$n-1≦\log_{10} N<n$より
$69≦log_{10} 5^{100}<70$
公式に当てはめたとき、④nにあたる数が答えになります。
$5^{100}$は70桁だね!
$5^{100}$の桁数を求めよ。
$\log_{10} 2=0.3010$とする。
$\log_{10} 5^{100}$
$=100×\log_{10} 5$
$=100×0.699$
$=69.9$
$5^{100}$がn桁とすると、
$n-1≦log_{10} 5^{100}<n$
nは自然数なので、
$69≦log_{10} 5^{100}<70$
よって、70桁
まとめ
常用対数を用いた桁数の求め方は、公式が複雑に見えるため敬遠してしまう人がいます。
でも、公式の意味を理解したらそんなに難しくないですよね。
公式を理解し、解き方がわかったら計算ミスにも気をつけてくださいね。
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