【高校数Ⅰ】平方根の整数部分・小数部分の求め方を解説!分数を含めた3パターン


【高校数Ⅰ】平方根の整数部分・小数部分の求め方を解説!分数を含めた3パターン

 高校生になっても、数学では避けては通れない平方根。整数部分・小数部分を求める問いでは平方根と分数のミックスが出てきて、ちょっと嫌になっちゃいますよね。

 しかし、数Ⅰで出てくる整数部分・小数部分の問いは中学内容の延長です。この記事を読めばすぐにマスターできますよ。

 この記事では平方根の整数部分・小数部分を求める問いを、①$\sqrt{●}$、②$\sqrt{●}±□$、③$\frac{△}{\sqrt{●}±□}$の3パターンに分けて解説します。

 それぞれが同じ手順で問題を解けるため、①のパターンさえ解ければ全てのパターンで問題を解けるようになります。しかもそれは中学で習った内容です。

 この記事を読んで、平方根の整数部分・小数部分の問題をマスターしましょう!

 まずは平方根の整数部分・小数部分の求め方の、基本的な考え方を解説します。

平方根の整数部分・小数部分とは?

 平方根の整数部分・小数部分を正しくイメージしましょう。

 例えば$\sqrt{5}$なら、小数を用いて表すと$2.236・・・$のようになります。

 その名の通り、整数部分は一の位の『2』で、小数部分は小数点以降の数です。

平方根の整数部分と小数部分を求める時の考え方

 平方根の整数部分・小数部分を答える際は、整数部分から求めます。

 小数部分は無限に続くので、直接求められません。

 そこで、整数部分を先に求め、小数部分は元の数から整数部分を引いて求めます。

整数部分を引けば、小数部分だけ残る(小数部分)=(元の数)ー(整数部分)

例題

$\sqrt{5}$の整数部分・小数部分を求めましょう。

 まずは整数部分を求めます。

 $\sqrt{●}$の整数部分を求める方法は、実は中学生の時に習っています。

 そう、$\sqrt{5}$を、ルートの数で不等号を用いて挟めばよいのです。

 忘れてる人は以下の記事を読んでください。

 $\sqrt{5}$はルートの数で、不等号を用いて以下のように挟めます。

 $\sqrt{4}<\sqrt{5}<\sqrt{9}$

 つまり$2<\sqrt{5}<3$

 よって$\sqrt{5}$は2と3の間の数なので、$\sqrt{5}$の整数部分は2です。

 次に小数部分を求めます。

 小数部分は、(元の数)ー(整数部分)で求められます。

 つまり$\sqrt{5}$の小数部分は$\color{red}{\sqrt{5}-2}$です。

答え

$\sqrt{5}$の整数部分は2、小数部分は$\sqrt{5}-2$

例題

$\sqrt{5}+3$の整数部分・小数部分を求めましょう。

まずは整数部分を求めるんだよね

 ここで聞かれているのは『$\sqrt{5}+3$』という式の整数部分・小数部分です。

 つまり、整数部分を答えるときはまず$\sqrt{5}$の整数部分を求め、それに$3$を足します。

 $\sqrt{5}$の整数部分の求め方は上でやったのでカットします。

 $\sqrt{5}$の整数部分は2なので、『$\sqrt{5}+3$』の整数部分は$\color{red}{2+3=5}$です。

 整数部分が求められたら、次は小数部分を求めます。

小数部分は、(元の数)ー(整数部分)で求められるんだよね

 元の数『$\sqrt{5}+3$』の整数部分が5なので、小数部分は以下のように求めます。

 $(\sqrt{5}+3)-5$

 $=\sqrt{5}-2$

 よって小数部分は$\color{red}{\sqrt{5}-2}$

答え

$\sqrt{5}+3$の整数部分は5、小数部分は$\sqrt{5}-2$

 最後に、ルートを含む分数の整数部分・小数部分の求め方を解説します。

例題

$\frac{1}{\sqrt{3}-1}$の整数部分・小数部分を求めましょう。

 これまではまずは整数部分を求めるとお話ししましたが、このパターンでは整数部分を求める前に有理化をします。

 $\frac{1}{\sqrt{3}-1}$を有理化すると以下のようになります。

$\displaystyle \frac{1}{\sqrt{3}-1}$

$=\displaystyle \frac{\color{red}\sqrt{3}+1}{(\sqrt{3}-1)(\color{red}\sqrt{3}+1)}$

$=\displaystyle \frac{\sqrt{3}+1}{(\sqrt{3})^2-1^2}$

$=\displaystyle \frac{\sqrt{3}+1}{3-1}$

$=\displaystyle \frac{\sqrt{3}+1}{2}$

 分母を有理化してから整数部分・小数部分を求めます。

 ますは整数部分からです。

 $\frac{\sqrt{3}+1}{2}$の整数部分を求めるには、$\sqrt{●}±□$の時のようにまずはルートの数の整数部分から求めます。そこに±□をします。この問いでは+1します。

 そして最後に、分母で割れば良いのです。この問いでは2で割ります。

 $\sqrt{3}$の整数部分は以下のように求めます。

 $\sqrt{1}<\sqrt{3}<\sqrt{4}$

 つまり$1<\sqrt{3}<2$

 ここまで来たら、全ての辺に+1します。

 $1<\sqrt{3}<2$

 $1+1<\sqrt{3}+1<2+1$

 $2<\sqrt{3}+1<3$

 さらに、全ての辺を2で割ります。

 $2<\sqrt{3}+1<3$

 $\displaystyle\frac{2}{2}<\displaystyle\frac{\sqrt{3}+1}{2}<\displaystyle\frac{3}{2}$

 $1<\displaystyle\frac{\sqrt{3}+1}{2}<1.5$

 よって$\displaystyle\frac{\sqrt{3}+1}{2}$は1と1.5の間の数なので、$\displaystyle\frac{\sqrt{3}+1}{2}$の整数部分は1です。

 整数部分が求められたので、小数部分を求めるためには元の数から引けば良いのです。

 $\displaystyle\frac{\sqrt{3}+1}{2}-1$

 $=\displaystyle\frac{\sqrt{3}+1}{2}-\displaystyle\frac{2}{2}$

 $=\displaystyle\frac{(\sqrt{3}+1)-2}{2}$

 $=\displaystyle\frac{\sqrt{3}-1}{2}$

 よって小数部分は$color{red}{\displaystyle\frac{\sqrt{3}-1}{2}}$です。

答え

$\frac{1}{\sqrt{3}-1}$の整数部分は1、小数部分は$\frac{\sqrt{3}-1}{2}$

 平方根の整数部分・小数部分の求め方についてまとめます。

  • まずは整数部分を求める
  • 小数部分は、(元の数)ー(整数部分)で求める
  • ルートを含む分数なら、整数部分・小数部分を求める前に有理化する

 分数が出てきて複雑に見えるかもしれませんが、解き方は中学でならった『平方根の近似値の求め方』の延長です。

 中学内容を忘れている人は復習し、数Ⅰの平方根の整数部分・小数部分の求め方をマスターしましょう。


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