【中1数学】文字式の利用の解き方を解説→算数ができれば楽勝です

 中学校で数学を学ぶ上で絶対に避けては通れないもの……そう、文字式!

 文字式の計算まではなんとかなったけど、色々なものを文字で表す『文字式の利用』になかなか慣れない人もいるのではないでしょうか?

 例えば……

30円のリンゴを$x$個買いました。代金はいくらでしょう?

う~~~ん

 算数ではあまり本格的に文字式を使わなかったので、文字式に戸惑っている人は必見です!

 小学校で習った知識があれば、簡単に解けるようになりますよ!

例題

30円のリンゴを4個買いました。代金はいくらでしょう?

 これならパッと分かるのではないでしょうか?

こんなの簡単!

$30×4=120$だから、120円!

 大正解! それなら、この問題も分かるはずだよね。

例題

30円のリンゴを$x$個買いました。代金はいくらでしょう?

  さっきはリンゴが4個だったから、$30×4=120$がパッとわかったんだよね。

 今回はリンゴが$x$個と文字になっているけど、式を立てるときは数字でも文字でも変わらないよ。

ってことは、式は$30×x=30x$かな?

あれ、答えが数字にならないけど、いいの?

 そう。買ったリンゴの個数が$x$個ということは、つまり、リンゴを何個買ったかわからないということなんだ。

 リンゴの個数がわからなければ、代金がいくらだったかもわからないよね。

 だから答えは$30x$円でOKだ!

『文字式の利用』の問題に挑戦!

 ここからは、代金の問題や整数の問題、割合の問題に挑戦していきましょう!

文字式の利用~代金編

問題1

ケーキ屋さんで、300円のショートケーキをx個、200円のモンブランをy個買いました。また、箱代として20円かかりました。
代金の合計はいくらでしょう?

例題よりも情報が増えたけど、落ち着いて考えてみましょう。解き方は例題と同じですよ。

代金の合計は、次のようにできています。

$$(代金の合計)$$

$$=(ショートケーキ代)+(モンブラン代)+(箱代)$$

ショートケーキ代とモンブラン代をそれぞれ文字で表して足せばいいんだね!

 That’s right!  さっそく表してみよう!

  • ショートケーキ代=300x
  • モンブラン代=200y

 あとは全部足してしまいましょう!

 代金の合計は、

 $(300x+200y+50)円$

文字式の利用~整数編

 この単元は超重要! 中1の文字式の利用だけでなく、中2、中3でも頻出します!

 ここでしっかり、中1のうちに理解しておきましょう。

問題2

偶数と奇数を文字xを使って表しなさい

え?問題文これだけ?

 そう、これだけ。さて、まずは偶数と奇数について、小学校で習ったことを覚えてるかな?

偶数は2で割れる数、奇数は2で割れない数!

 そうだね! このことから、偶数は$2x$、奇数は$2x+1$と表すことができます。

 偶数は2で割り切れる数、つまり偶数は2の倍数なので$2x$と表すのです。

偶数は2の倍数⇒2xと表すx=1の場合:2×1=2x=2の場合:2×2=4x=3の場合:2×3=6xがどんな値でも2xは偶数である。

なんで奇数は$2x+1$なの?

 奇数は、偶数に1を足した数だと言い換えることができるからです。

奇数は2x+1と表す奇数は偶数(2x)の間にある⇒奇数は2x+1、または2x-1と表せる

 123456……と思い浮かべてみると、偶数と奇数が交互にならんでいるのに気付くでしょうか?

 だから、2で割りきれる数である偶数を$2x$とおくと、それに1足して奇数は$2x+1$と表すことができます。

 もちろん、偶数から1を引いた$2x-1$と表してもOKだ!

問題3

2桁の数を、10の位をa、1の位をbとして表しなさい。

簡単じゃん!

$a+b!$

 残念! これはよくある間違いだから気を付けて!

 文字式の利用で大事なのは、直感で答えるんじゃなくてしっかり考えてから答えることだよ。

 まずは、2桁の数を思い浮かべてみよう。

 例えば75。10の位をa、1の位をbとするとしたらa=7,b=5になるよね。

 そこで、もしも$a+b$だったとしたらどうだろう?

 $a+b=7+5=12!?$

 75になるはずが、12になってしまったね。

じゃあ、aを10倍して、10aにすればいいかな?

 その通り!

 $75=70+5$だよね? これを75=10×7+5と考えてみよう。

 a=7,b=5だったから、10a+bって書き換えられる。

 つまり、2桁の数を10の位をa、1の位をbとして表すと10a+bになる。

文字式の利用~割合編

割合の公式比べられる数=元にする数×割合元にする数=比べられる数÷割合割合=比べられる数÷元にする数

問題4

A中学校の今年の新入生は150人でした。これは、昨年の新入生の$x$割です。昨年の新入生の人数を、$x$を用いて表しなさい。

 比べられる数、元にする数、割合。覚えているでしょうか?

 そもそも割合がわからない!忘れてしまった!という人は早めに復習しておきましょう。

 さて、この問題で求められているのは、比べられる数と元にする数と割合のどれでしょう?

比べられる数と元にする数、どっちだ?

 割合は『何割』って書いてあるからわかりやすいけど、比べられる数と元にする数の区別は難しいよね。

 そんなときは、その割合は何が基準で決められているのかを考えてみよう。

 今年の新入生の数は、昨年の新入生の人数の$x$割ということは、この割合は昨年の新入生の数が基準になっています。

元にする数が『昨年の新入生の人数』で、

比べられる数が『今年の新入生の数』だね!

 その通りだ!

 つまり、この問題で聞かれているのは元にする数だ!

$(元にする数)$

$=(比べられる数)÷(割合)$だから……

 その式に代入する前に、割合を少数に直しておこう。

 割合は$x$割だから、少数に直すために$\frac{x}{10}$としましょう。

 $(元にする数)=(比べられる数)÷(割合)$より、

 $150÷\frac{x}{10}$

$=150×\frac{10}{x}$

$=\frac{1500}{x}$

 となります!

$\frac{x}{10}$じゃなくて、$0.1x$でもいいの?

 もちろんそれでもOKです!

問題5

君の数学の自信を$x$とする。この記事を読んだことで君の自信が7割増しになりました。
君の自信はいくつになったでしょう?

 さて、元にする数と比べられる数、割合はそれぞれどれでしょう?

元にする数が$x$で、割合が7割=$\frac{7}{10}$だ!

 元にする数は合ってるけど、割合が惜しい。

 7割増しになったということは、元の自信と比べて今の自信は170%ってことだよね?

 だから、割合は1.7だ。

聞かれているのは比べられる数だから、
$(比べられる数)=(元にする数)×(割合)$に代入だ。

$(比べられる数)=(元にする数)×(割合)$より

$x×1.7=1.7x$

よって、答えは1.7x

まとめ

文字式の利用のコツ①文字に数字を当てはめて式をたてる②算数でならったことをよく思い出す(特に割合!)③直感で答えず、しっかり考える

 代金を聞かれているのに答えが$30x円$となるなど、文字が混ざった数が出てくるのが慣れないと思いますが、中1のみなさんがしっかりこれをマスターすればその後に習う数学がとても楽になります。

 決して簡単とはいえない単元ですが、頑張って理解しましょう!