【都立入試数学】文字式の利用『文字式を使って説明せよ』の解答の流れを解説!

 都立入試に必ず出題される『文字式の利用』は、問題文で問われていることを文字で表したり、文章で説明したりするのが難しいですよね。

文字式での説明の仕方がわからない……

そもそも聞かれていることを文字で表せない……

 そんなみなさんのために、ここでは『文字式の利用』について問題の解き方を解説していきます!

 『文字式の利用』は都立高校入試で必ず出題されるので、早いうちから苦手を克服しましょう!

 実は『文字式の利用』は、中1で習った『文字式での表し方』をマスターしていれば、そう難しいものではないのです。

 突然ですが、問題です。

問題1

2つの奇数を足すと答えは偶数になることを、文字式を用いて説明しなさい。

 まずは2つの奇数を文字で表す必要があるのですが、みなさんはパッと思い付くでしょうか?

だめだ、わからない…

 そんな人は、中1で習った文字式でつまづいている可能性大!

 まずはこの記事を読んで中1の復習をしましょう!

【中1数学】文字式の利用の解き方を解説→算数ができれば楽勝です

『文字式で説明しなさい』解答の流れ

 上の記事で中1の復習を済ませたら『文字式の利用』を解いてみよう。

どうやって文章を書いて説明すればいいのかわからない

 まずは、解答の流れを整理しましょう。

『文字式で説明しなさい』解答の流れ①問題文を文字式で表す②文字式の計算をする③問われている形に変形する④「よって○○○(問題文丸写し)である」と書く

 今後、中学3年生でも高校でも文字式を用いた説明を行います。

 この流れはどこに行っても変わらないので、ぜひ今のうちに習得してしまおう!

問題文を文字式で表す

 解答の流れを確認した上で、もう一度問題を見てみよう。

問題1

2つの奇数を足すと答えは偶数になることを、文字式を用いて説明しなさい。

 つまり、これを数式に表すと次のようになります。

 $$(奇数)+(奇数)=(偶数)$$

 まずはこの2つの奇数を文字で表さないといけないってことですね。

じゃあ、

$(2n+1)+(2n+1)$ですね!

 と、思った人はちょっと待った!

 $2n+1$と$2n+1$を足すって言うことは、同じ数の奇数を足してるってことなんだ。

 同じ数の奇数だけじゃなくて、例えば9+7とか、違う奇数を足した場合も考えたいので、文字を変えて$(2n+1)+(2m+1)$とするのが正しい。

 2つの奇数を表すときは、2n+1と2m+1だ。

2つの奇数を2n+1と2m+1って表したら、同じ数の奇数を足した場合は表せないんじゃないの?

その場合、例えば$n=2$,$m=2$ってすれば同じ奇数の数を表せるよ。

同じ数を表せないからって。2つの奇数を$(2n+1)+(2n+1)$としてしまうと、逆に同じ数の奇数しか表せないんだ。

だから、別の文字を使って2つの奇数を表す必要があるんだ。

文字式の計算をする

これは簡単!

 そう思えるなら頼もしい!

 $(2n+1)+(2m+1)=2n+2m+2$

 となるね。

で、ここからどうすればいいわけ?

 ここからもつまづきポイント!

 問題文で問われているように式を変形しないといけないんだ。

 次でその説明をするよ。

問われている形に変形する

 この問題の目的は、奇数と奇数を足したら偶数になることを説明することだよね。

 だから、$(2n+1)+(2m+1)=2n+2m+2$で終わってしまうと物足らないんだ。

 誰が見ても、これが偶数であるということが分かるようにしなくてはいけない。

 さて、偶数ってどんな数だったっけ?

偶数は2で割り切れる数!

 そう、つまり偶数は2の倍数であると言い換えられるよね。

 だから、

 $(2n+1)+(2m+1)$

 $=2n+2m+2$

 $=2(n+m+1)$

と変形してみよう。

「よって○○○(問題文丸写し)である」と書く

  文章題を解いているときにありがちなのが、何が問われているのかを忘れてしまうことなんだ。

  この問題では、『2つの奇数を足すと答えは偶数になることを、文字式を用いて説明しなさい』と言われているよね。

 だから、ずらずらと計算式を並べた後は必ず、『だから2つの奇数を足すと答えは偶数になるんだよ』と言わなければいけないんだね。

解答の流れまとめ

 以上のことを踏まえて、実際に解答をつくってみよう。

2つの奇数を足すと答えは偶数になることを、文字式を用いて説明しなさい。

2つの奇数を、整数$n$と$m$を用いて$2n+1$、$2m+1$とすると、その和は次のようになる。

 $(2n+1)+(2m+1)$

 $=2n+2m+2$

 $=2(n+m+1)$

(n+m+1)は整数だから、2(n+m+1)は偶数である。

よって、2つの奇数を足すと答えは偶数になる。

 黄色のマーカーを引いたところは書き忘れてしまいがちだから気をつけて!

なんでわざわざ書かないといけないの?

 例えば$n$が小数$0.5$だった場合、奇数として$2n+1$を置いたのに、実際は

 $2×0.5+1=2$と奇数になってしまうよね。だからこの説明が成立しなくなってしまうんだ。

 だから、$n$と$m$は整数だって宣言しておかないといけないんだ。

解答の流れを理解したら問題演習をしよう

 文字式の利用の問題は、上記のような解答の流れに沿って解いていきます。

 

まとめ

 文字式の利用がわからない人は、まず中1の文字式が理解出来ているかを確認してみよう。

 文字式で説明する問題は、解答の流れさえ覚えてしまえばあとはなんとかなります!

 でも、見た目が難しいから諦めてしまう人も多いんだよね。

 だから、そんな人たちを尻目に頑張って勉強してください。かなりの差をつけることができますよ。